手根管症候群について

暑さが段々と厳しくなってきましたね。

外を歩くだけで汗が流れて、Tシャツはベトベトになり、本当に嫌な季節ですよね。

 

屋内で過ごしていても、冷房のせいで体が冷えて不調を感じる方も増えています。

外が暑ければ暑いほど、冷房の温度も下げてしまいますからね。

悪循環に陥ってしまう方が増えてきています。

 

なんとか工夫してこの暑い夏を乗り切りたいものですね!

 

さて今回は、神経疾患の中でも罹患率の高い手根管症候群についてお話していきます!!

 

まず、この手根管症候群の症状としましては、

初期には示指、中指が痺れ、痛みがでますが、最終的には母指から環指の母指側の3本半の指が痺れます(正中神経の支配領域)。急性期には、この痺れ、痛みは明け方に強く、目を覚ますと手が痺れ、痛みが発生するのが特徴です。

 

手を振ったり、指を曲げ伸ばしすると痺れや痛みは楽になります。手のこわばり感もも出現する方もいるようです。

ひどくなると母指の付け根(母指球)が痩せて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。縫い物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。

 

原因不明の事が多いですが、妊娠・出産期や更年期の女性に多く生じるのが特徴です。
そのほか、骨折などのケガ、仕事や家事、スポーツでの手の使いすぎ、透析をしている人などに生じます。腫瘍や腫瘤などの出来物でも手根管症候群になることがあります。

 

手に痺れや痛みこわばり感があったら、まず自分の生活の中で原因がどこにあったのかを考えた方が、予後の状態が安定してくるはずです!

 

実際に手首がどのような状態になって痺れや痛みが発生しているのかというと、

正中神経が手首(手関節)にある手根管というトンネル内で圧迫され、そこに手首(手関節)の運動が加わって手根管症候群は生じます。

手根管は手関節部にある手根骨横手根靱帯(屈筋支帯)で囲まれた伸び縮みのできないトンネルで、その中を1本の正中神経と指を動かす9本の腱が滑膜性の腱鞘を伴って走行しています。

原因のところで述べましたが、妊娠・出産期や更年期の女性に多い特発性手根管症候群は、女性のホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみが原因と考えられています。手根管の内圧が上がり、圧迫に弱い正中神経が扁平化して症状を呈すると考えられています。使いすぎの腱鞘炎やケガによるむくみなども同様に正中神経が圧迫されて手根管症候群を発症します。

 

検査方法としましては、色々な方法が提唱されていますが、最もポピュラーなのが手首(手関節)を打腱器などで叩く検査です!

痺れや痛みが指先に響くかどうかを鑑別して、陽性なら手根管症候群になっている可能性が非常に高いという事になります。

この検査をティネルサインといいます!

その他にも、手首(手関節)を直角に曲げて手の甲をあわせて保持し、1分間以内に痺れ、痛みが誘発されるかどうかを確認するテスト法があります。このテスト法をファーレンテストといいます!

 

それ以外だと母指球の筋力低下や筋萎縮を診たり、補助検査として、電気を用いた筋電図検査を行います。手根管をはさんだ正中神経の伝導速度を測定するようです。

 

腫瘤が疑われるものでは、エコーやMRIなどの検査が必要になってきます!

 

治療に関しましては、

消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、塗布薬、シーネ固定などの局所の安静、腱鞘炎を悪化させないために手根管内腱鞘内注射などの保存的療法が行われます。

 

難治性のものや母指球筋の痩せたもの、腫瘤のあるものなどは手術が必要になります!

手術には、以前は手掌から前腕にかけての大きな皮膚切開を用いた手術を行っていたが、現在はその必要性は低く、内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術や小皮切による直視下手根管開放術が行われているとのことです。

 

当院でもテスト法を用い鑑別し、ここで治療できるものなのか、それとも病院に紹介した方がいいのかなど、しっかり対応いたしますので安心してご来院下さい!

 

わりと発生頻度の高い身近な疾患ですので、皆さんくれぐれも普段の使い方には気をつけて下さいね!

 

 

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